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経営計画書と事業計画書の違い

法人の顧客を多く抱えることになる税理士のもとにはさまざまな相談が舞い込んできます。中には「経営計画書を作りたい」「事業計画書を作りたい」という相談もあり、その内容や違いなどをしっかりと理解しておく必要があります。

経営計画書とは?

経営計画書はその名の通り、企業経営に関する計画を示した書類のことをいいます。内容としては「将来会社としてどうあるべきか」というビジョンや経営理念、行動指針とともに経営戦略を織り込んで作成します。経営計画書の作成目的や活用場面としては経営陣や社員などに共有する社内に向けて会社の未来像を示す場面のほか、株主などの出資者や金融機関などの債権者、取引先など社外に向けて戦略を示す場面などが挙げられます。

長期経営計画書

経営計画書には「短期経営計画書」「や「中期経営計画書」、「長期経営計画書」などの種類があります。これは策定する計画の期間によって呼び名が変わるものであり、その計画書の策定目的や活用場面などに応じて使い分けることになります。まず長期経営得計画ですが、一般的に5年から10年という長期間にわたる計画となります。ただし、10年も先となると経営環境も大きく変わることから、細かな数値設定を行うことはあまりありません。

中期経営計画書

中期経営計画の期間としては3年から5年程度とされており、長期経営計画書で策定された大きな方向性やビジョンに基づき会社のあるべき姿を達成するために、ある程度具体的な計画数値として売上高やコスト、利益推移を示すことが一般的です。この中期経営計画書で策定した計画数値は達成できるかどうかも重要なファクターになりますので、毎月や半期ごと、年度ごとなど一定期間は業績状況をモニタリングする必要があります。

短期経営計画書

短期経営計画書はさらに短いスパンとして1年単位で策定するものをいいます。長期経営計画書や中期経営計画書などのように「会社全体」「方向性」などの大きな目線というよりも、「部門ごと」「部署ごと」「社員別」など何らかのセグメンテーションを行って細かく策定するものになります。足元の状況やトレンドを反映して策定する計画になりますので、ある程度高い精度も求められる計画書になってくる点に注意が必要です。

経営計画書と事業計画書との違い

経営計画書や事業計画書という言葉はビジネスの世界でよく使われますが、その意味や定義は場面によって異なることがあります。どちらも同じ意味として使われることもありますので、その場面や状況に応じて判断するようにしましょう。

この経営計画書と事業計画書という言葉を厳密に使い分ける場合、経営計画書は「会社のあるべき姿を示すもの」、事業計画書は「会社のあるべき姿を実現するための具体的な計画を示すもの」という認識を持っておくとまず間違いないでしょう。

会社としての大きい目線が経営計画書、その経営計画書を会社の中身である事業にブレイクダウンしたものが事業計画書という整理が分かりやすいかもしれません。金融機関などが計画書を求める場合には「返済能力があるか(=稼ぐ力があるか)」を中心に検討されますので、事業計画書を提出することになるでしょう。

経営計画書はなぜ必要?

ここまで説明してきた通り、経営計画書は会社としての大きな目線を示すものです。いきなり細かな数字や具体的な計画の作り込みを進めてしまうと実行場面において個別最適に留まってしまい、会社全体として実現すべき姿が見えないまま走り出すことになります。

大まかな目標やゴールの見えないまま日々走り続けると、本来あるべき会社の姿から離れてしまう可能性があるため、経営計画書をしっかりと作り込んで目線をずらさないことは非常に重要です。

経営計画書は数字云々を気にする金融機関に対してよりも従業員や株主などのステークホルダーに対して会社としての方針を示し、コンセンサスを取りながら経営を執り行うために必要な資料となります。

経営計画書のメリット

目標の共有

社内での定例会議や朝礼などさまざまなコミュニケーション機会はあれど、関係者間において会社としての目標を「見える化」して共有することは非常に重要です。口頭だけでは言った・言わないの話になりますし、会社としてビジョンや理念を明確に示す事によって果たすべき責任もはっきりしますので、その計画書を見る従業員からすると目指すべきポイントをぶらさずに日々の業務にあたることができます。

現状の把握

自社が目指すべき方向を定めるため、またその定めた方向に向かっていくためには自らの立ち位置を理解することが必要です。会社を取り巻く市場の動向やその他外部環境の状況、強みや弱み・経営資源などの内部環境をしっかりと理解しておかなければ最適の経営計画は策定することができません。経営計画書を策定する過程においてはこれらの検討を行うことになりますので、自社の現状をしっかりと把握することができるようになるというメリットがあります。

資金調達に活用

ビジネスをスケールしていくためには資金調達が欠かせません。自社で生み出した収益をもとに拡大するケースももちろんありますが、調達した資金でレバレッジを利かせる方がよりビジネスを加速させることができます。資金調達を実現するためには金融機関やスポンサーに対して会社や事業の魅力をアピールする必要がありますので、質の高い経営計画書を策定できると精度の高いビジネスプランに繋がり、調達可能性を高めることができるでしょう。

経営計画書の書き方

経営理念

経営理念は経営者の信念や心情・価値観に基づいて会社の経営方針を示すものです。この経営理念を実現することが企業経営をするうえでの目的になりますので、関与する人々が共感できるものであるかどうかは非常に重要です。形式としてはシンプルなもの、複数設けるなど会社によって異なりますが、誰が見ても分かりやすいものにすることがおすすめです。ただし、決まった考えに従うのではなく自社にあった経営理念を検討しましょう。

経営方針

経営方針は経営理念を実現するための基本的な考え方や姿勢を示したものです。この経営方針を明確にすることにより、具体的な経営戦略の策定に繋がることから経営陣や社員が同じ方向を向いて迷わず業務に邁進することができるようになります。この経営方針は細分化していくことで経営理念が実現できる、という内容であることが必要ですので、「商品やサービス」「顧客」「社員」「地域」などに対する姿勢や考え方を重要な視点として考えることがおすすめです。

現状分析

企業の現状分析は経営計画の策定に関して重要なポイントですが、そのためのフレームワークは世の中に多くあります。その中でもおすすめなのが「SWOT分析」ですが、これは強み・弱み・機会・脅威という4つのポイントに基づいて自社の現状や今後の戦略を検討するためのものです。「強みを活かして機会を獲る」「強みを活かして脅威と戦う」「弱みを機会で補う」「弱みと脅威からリスクを予見する」などの視点から検討を行うことで、今何をすべきかが明確に見えて来るでしょう。

経営戦略

経営戦略はその名の通り経営を執り行ううえでの戦い方・戦略を意味します。自社の強みや弱みなどを踏まえた現状分析やマーケットなどの外部環境を分析したうえで、どのように市場で戦っていくかの戦略を検討します。環境に恵まれて業績が好調なうちは感覚的経営でもうまくいくかもしれませんが、より堅実に企業を継続させるためには根拠に基づく戦略的経営が欠かせません。経営計画を策定する際にはしっかりと戦略を練り、その時の状況を見極めながらブラッシュアップを重ねながら実行していきましょう。