一般企業に就職したものの税理士の夢をあきらめきれない、将来を考えて資格を取得したい、いずれは独立開業をしたい、生涯現役で仕事をしたいなど、税理士を目指す理由は人それぞれであり、目指すタイミングも異なります。税理士資格のない状態から税理士を目指そうと考えている人や、科目合格者、税理士資格を保有している未経験者はもちろん、税理士の資格も経験もありさらなるスキルアップを目指したい方もいるでしょう。
また、税理士資格を保有し、すでに税理士として働いていて、スキルアップのために幅広いジャンルの業務に携わりたい、いろいろな経験をしたいという考えから別の税理士事務所や税理士法人への転職を考える人もいます。そこで、実際のところ、30代での税理士の転職は難しいのか調査、まとめています。
税理士法人スーゴル
スーゴルマネジメント株式会社
人事採用担当
30代の税理士の転職には、30代で税理士を目指すパターンと、すでに税理士として働いていてスキルアップのために転職するパターンがあります。
30代前半なら、未経験であっても税理士として転職できる可能性は非常に高いです。平均年齢60代という税理士業界において、30代前半は「若手」の位置づけであり、税理士資格を保有したばかりの未経験者であっても、税理士資格を持っていない科目合格者であっても、採用したいと考える税理士事務所や税理士法人はたくさんあります。
30代後半の場合、税理士資格を持ち、かつ、年齢に応じた税務経験があれば、転職は難しくありません。というのも、税理士業界は慢性的な人不足であるため、税理士事務所や税理士法人では、常に税理士を求めている状態です。そのため、年齢に見合ったキャリアを持って臨めば、30代後半の転職も問題なくできるはずです。
30歳を超えてから税理士を目指す人が多い
かつて、転職には「35歳の壁」があるといわれていて、「35歳転職限界説」という言葉も存在していました。しかし、現在は、40代以上で転職をする人も多く、30代の転職は決して手遅れということではありません。
それは税理士においても同様であり、税理士試験の受験者の年齢分布を見てみると、41歳以上の受験者数は10,805人、36～40歳は4,407人、31～35歳は4,581人、26～30歳は4,131人、25歳以下は4,929人となっています。※1
この結果を見ても、30歳を超えてから税理士を目指す人が多いことがわかります。とくに税理士は平均年齢が高く、税理士の年齢層の割合を見ると、60代が30％を占めています。※2
また、従事年数を見ると、40年超が8.1％、40年以下が10.6％、30年以下が18.8％、20年以下が24.1％と、生涯にわたって長く続けることができる職業であるといえます。また、前出の調査結果によると、税理士資格を取得する前の職業としては、税理士事務所職員が43.2％、公務員（税務職員）が31.9％と大多数を占めていますが、会社員からの転職も13.0％います。
税理士・公認会計士・資格勉強中の方に聞きました！
経営支援税理士を目指したきっかけとは？
税理士、公認会計士と一言でくくっても、その働き方は実にさまざま。税務の第一線で活躍する税理士、元公認会計士、税理士の資格取得に向けて励んでいる方に、転職のきっかけをはじめ、経営支援税理士という職業のやりがいについて語って頂きました。
中小企業のサポートをしたい、覚悟があれば30代でも積極的に採用しています。
スーゴルでは、30代の転職組が多く、会社としても積極的に採用しています。私たちが求めるのは「未経験でも、資格を持っていなくてもサポートしていきたいと思える人材」であり、重視するのは、年齢ではなくその人のやる気や仕事に取り組む姿勢。
転職というと、若い方のほうが有利に思えるかもしれませんが、むしろ、一度社会に出ていろいろな経験をしている人のほうが、強い意志や覚悟があったり、柔軟な対応ができたり、成長する要素をたくさん持っていることも多いので、30代の税理士の転職が厳しいものであるとは限りません。
税キャリ｜中小企業の経営を支援する「経営支援税理士」になる道のりとは？
税理士としてより幅広い業務に携わりたい、中小企業の経営支援コンサルティングに関わる業務がしたい、もっとやりがいのある仕事がしたい、コンサルができる税理士としてのキャリアを築きたい……そんな方のために、当メディアを立ち上げました。
「人の役に立ちたい」「中小企業の経営者の片腕として仕事をしたい」「自分自身のキャリアアップを図りたい」という思いを持った税理士、公認会計士、未来の税理士に向けて、経営支援をする税理士になるための方法や仕事の魅力、やりがいについて紹介しています。